大晦日。年最後の行事は
除夜の鐘をつき、きき
新年を迎えるのが
昔からのしきたりです。
除夜の鐘は
つくごとに人間の持っている
108個の煩悩を一つ一つ
消し去ってくれる
そして美しいこころで
新年を迎えましょうという
意味があるのです。
煩悩は
人のこころを惑わすものであり
しあわせな人生を送るためには
煩悩を払わないといけないもの。
と考えてました。
でも108個もある煩悩を
完全に払うことは
除夜の鐘をついたからといっても
難しいもの。
生きている限り
煩悩と付き合わないといけない。
煩悩をひとつでも減らすように
努めるように生きていかないとも
思うのです。
空海さんは、煩悩を
「覚りの原動力」と考えられ
「煩悩即菩提」という言葉を残されています。
つまり
煩悩のままが菩提のこころと言うのです。
そして
煩悩について
ろうそくと火を使って
こんな例えを残されています。
ろうそくと火は
全く別物ですが
ろうそくの明るさは
ろうそくを原材料としてもたらされますが
ろうそくに火がつかなければ
ろうそくはろうそくのまま。
ろうそくに火がついてはじめて
まわりを照らす存在になるのです
空海さんのおっしゃった「菩提心」とは
ろうそくに火がついた状態
ということです。
ですから煩悩は
自分の心の菩提心を
灯すものなんだと思います。
つまり、除夜の鐘は
108ある煩悩をひとつひとつ揺り動かし
煩悩を発火させ
菩提心の火を灯し
菩提心とともに新年を迎えるという意味が
あるということをしりました。
今日で
当院も仕事納めになりました。
僕の心にも多くの煩悩があります。
その心をみなさんの温かい気持ちで
菩提心を灯すことが出来て
一年を過ごせたことに気づきました。
一年間
本当にありがとうございました。
来年もみなさんから受け取った
菩提心をもっともっと明るく灯して
いこうと思います。
みなさん方も
いい年をお迎え下さい。
新年は1月4日(月)から診療スタートします