生涯弁護人

この本の作者である弘中惇一郞弁護士は
山口県出身の敏腕弁護士であり
これまで
クロマイ・クロロキン事件などの薬害訴訟
医療過誤事件や置換えん罪事件など
弱者に寄り添う弁護活動を続けていて
そのうえ
誰もが負けると思ってた
事件を無罪に持ち込むなど
その手腕を包み隠さず赤裸々に吐露した
本が
この生涯弁護人である。

この本で取り扱われていた事件で
印象にのこった事件の裏側は
村木厚子氏の郵便不正事件と
三浦和義氏のロス疑惑事件に対して
弘中氏がどう向き合ったかを知り
この事件の裏側を知り
悪を裁く側にある
検察も人間であり
人間の決めつけてしまうと
大きな落とし穴があることを
知ることになった。

村木厚子氏の事件は
まず大前提として
検察側の村木氏は黒であり
悪に至ったストーリーを作り上げ
それに合うように証拠を積み上げていく
自分たちの理論に合うように
自白を迫ったこともあったとか。

でも
村木さんは極限の状態でも
心折れず無罪を主張した。
弘中さんは
村木氏の主張をきちんととり
それに対する裏付けを
ひとつひとつ丁寧に洗い出し
精査した結果
検察側のストーリーの矛盾点をみつけ
無罪を獲得したのだ。

当時この事件の報道を観ていて
確かな証拠を積み上げて黒と判断した
検察の正義に
村木氏の正義との戦いと思ったが
実は検察の自分本位の理論に
どう闘うかが焦点だと知り
守る側の警察、検察がそうではなかった
自分自身の保身を守るために
動いていることを知り愕然とした。

その結果
その後村木氏が無罪となり
担当検察官が裁かれたのは当然なことだろう。

この事件より
衝撃ないようだったのは
ロス疑惑といわれ、マスコミで悪人扱いとして
報道続けられた三浦和義氏の事件。
この本を読むまでは
三浦和義氏は悪人だと洗脳されていたことに気づいた。

三浦氏はずっと無罪を主張されていた。
だって、やってないから
無罪を主張されていたのだ。
マスコミも男女の問題、保険金が絡み
悪魔の囁きにまみれたこの事件を
主人公を悪人に仕立て上げることで
みんなの興味をひくことに気づき
悪魔物語のように
連日報道していた。

弘中氏は
何度もロスにわたり
証言のひとつひとつ現場で検証し
犯人と言えない点をついて行ったのだ
それが無罪にいたったのだ。

検察は
証言だけを鵜呑みにして
現場を検証しなかったミス
つまり、自分たちのストーリーを組み立て
三浦氏をその主人公に仕立てたのだ
そして
今回ストーリーを作ったのは
検察側ではなく
犯人として疑わなかった
マスコミや国民のストーリーに合わせた
ストーリーだったようだ。

人の考えは怖ろしいと思う。
ひとが確信した事柄を
いつでも治せるような柔軟なき持ちを
人は持ち合わせていないと
罪を作り上げてしまうこともあることを
肝に銘じていないといけないと思った。

そんなことを
弘中さんは僕達に伝えたいのだろう。

追加だけど
三浦氏が悪人でなかったのは
500件以上もある記事を一つずつ
名誉毀損で訴え
弁護人をつけなくても
ほとんどが勝訴し、その賠償金が
弁護料に当てたそうだ。
そこは報道されないのが・・・・
マスコミの真実を操作する姿なのか?

サンタブログ20220514

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