物語を語って下さい

目の前の患者さんに対して
最善の治療をするために
我々医師は日々努力していますが
病気の種類も含め
接する患者さんの症状、訴えは
多岐にわたり
医療も進歩する中で
患者さんに常に最高の治療をするためには
医師ひとりの経験だけ
医師ひとりの研究勉強だけでは
十分とは言えません。

そこで
皆の経験した治療法などを
分析して
病気に対する
道標を科学的根拠に基づいて
示したのが
EBM(Evidence-Based Medice)と
いわれるものです。

このEBMのおかげで
どこの病院であっても
医師の自身の経験に左右される治療を
患者さんは
受けられるようになりました。

しかし
最近は、EBMにこだわりすぎ
EBMが標準治療だから
EBMじゃないといけないという
風潮が強くなってきた気がします。

ここで
間違ってはいけないのは
EBMはじゃないといけないわけでは
ないので
EBMに縛られることは
ないのですが・・・
この治療に当てはまるように
治療を進めてしまう
傾向に陥りがちです。

患者さんの病気になった理由、経緯、症状
そして
病気についてどのように考えているのか
どうしたいのかなどの
患者さんの思いは加味されずに
基準とされる血液検査、画像検査などの
結果のみで判断、実施され
目の前の患者さんのことより
データーばかり見ているという
批判につながっているのでは
ないでしょうか?

ナチュラルメディカルセンターでおこなっている
メタトロンでは
みなさんに1時間の時間を作ってもらって
施行しています。
またメタトロン中であっても
特に患者さん自身の行動を規制することも
ないので
メタトロンの結果を含めて
患者さんと様々なお話をします。

毎日どんな生活をしているか
何が心配かなど
ご自身のことだけでなく
ご家族のこと
お仕事のこと、コロナウイルスについてなど
お話の内容は
多岐にわたります。

実は
この1時間のお話は
とても重要なんですね。
この会話から
患者さん自身が抱えている問題
どう生きていきたいか
何を求めていることが
わかることがあります。

そうすると
例えEBMに添った治療をおこなっていても
根本治療とはとはならず
EBM的治療だけでは
根本的治療が難しいことを
感じます。

その様に感じるのは
決して僕だけではなく
最近ナラティブ・ベイスト。メディスン(NBM)も
必要であると訴えられる医師も
増えてきています。

NBMは
患者さんが語る物語から
病気になった理由、症状、考え方などの
患者さん自身が抱える問題を
全人的に把握し
そこから
最善の治療法を考えていこうという考え方が
出てきています。

病気の原因は
患者さんひとりひとりで異なります
ですから
治療法もひとりひとりことなります。

ですから
NBMも加味して
治療をおこなう必要があると思います。

僕は
これからも
患者さんに対して
いつもOPEN HEARTで
患者さんの言葉にいつも耳を傾けられる
医師でいようと思っています。

☆ 自身の経験をもとに、今感じていることをまとめた
拙著「どう生きてどう死ぬか 脳出血を経験した小児科医が観た生きる道」を
上梓させていただきました。
この本で記した僕の経験が、思いが
医師としてだけでなく、病いを経験したひとりの人間として
ひとりでも多くの方のお役に立てることを願うばかりです。

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