日別アーカイブ: 2023年8月28日

けいれん?と思ったら

 17ヶ月の女の子受診されました。話を聞くと・・・

 夜突然38.4℃の発熱、
顔色も悪く呼びかけてもボーッとしていた
(1分程度)ので、
救急車呼び救急病院へ搬送。

当直医(内科医)の診察を受け、
熱性けいれんの可能性もあるので、痙攣止めを処方され帰宅した。

 このような時、救急車を呼ぶかどうかとても悩みます。


呼んでいいと思いますか?
正解は、呼んでもいいです。

 ただ、以下の点を理解してくださいね。

  人はウイルスや細菌に感染して体温を上げる時、
筋肉をブルブルと小刻みに震わせて熱を産生します。
そして
産生した熱を逃がさないように、
皮膚の血管を収縮させるので血行が悪くなって、
手足が冷たくなったり、顔色が悪くなったりします。

これが熱が高くなる時に、
体で起こっていることです。

今回のケースもこれに当てはまると思われます。
ですから、
厳密にはけいれんではないと考えられます。

 ただ、実際のご家庭では、
けいれんなのか
熱が出た時の体の変化なのかを
判断するのは困難です。

不安も強くなり救急車を呼ぶこともやもえません。

 ただ、次の点だけを呼ぶ前に心に留めておいてください。

 ①まずは、落ち着いてください。
②時間を見てください
  (熱性けいれんは10分程度で止まります。実際は長く感じますが)
 ③叩いたり揺すったりせず、衣服を緩めて楽な姿勢にしてあげて、
 お子さんから離れず、状態を次のポイントでチェックして見てください。

     息はしてますか?
顔色はどうですか?
手足は突っ張ってますか?動かしてま
すか?
目つきはどうですか?左右差はありますか?

④以上を把握して、けいれんだと思われたら、救急車を呼んでも構いません。
 でも、決して到着までお子さんのそばから離れないで下さいね。

けいれん?と思った時は、
たとえ医療者でもあわててしまいます。

まずは、「落ち着いて、落ち着いて」と
自分に言いきかせて行動しましょう。

そして、熱性けいれんを起こした場合、
次回熱が出た時、痙攣した時などの対応をどうするのか、
かかりつけのお医者さんと十分に相談しておくと、
いざという時に、あわてずすみますよ。

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