チャイルド・ライフ・スペシャリスト

病院に入院中のこどもたちの生活を
精神的にサポートする
チャイドル・ライフ・スペシャリスト
として働いている方がいらっしゃる。

僕が研修医をしていた
大学病院でも
白血病などの腫瘍性疾患に罹患して
長期に入院を余儀なくされる
こどもたちが
必死で治療を受けていた。

僕の努めていた30年ほど前は
院内学級があったり
クリスマスや七夕などのイベントを
計画することがありました。
学校に行けること
イベントに参加したときの
こどもたちの満面の笑顔が
30年経った今でも
はっきり憶えています。

でも
治療の状況によっては
学校にも行けないし
イベントにも参加できないこともあります。
また
イベントなどは
長い入院期間中の
ほんのわずかな穏やかな時間と言えます。

その他の時間
自由に過ごせる場所は
畳一枚分ほどの
ベットの上しかりません。

付き添いの親は
寝るベットもありません。
食べるものも制限されてたり
不自由な毎日のはずでした。

そんなこどもたちと一緒に過ごすことが
研修医の大きな役割。
ですから
めまぐるしい医療の合間に
担当のこどもたちの元に
足蹴くまなく通っていました。

そんな過酷な状況を改善しようと
付き添いの方の過酷な生活状況を
改善するために
マクドナルドハウスという
家族のための宿泊施設が
できたり・・・・
僕の30年前よりは
入院環境は改善しているでしょう。

しかし、肝心のこどもたちの生活は
おとなでも苦しい
生活の制限を強いられているのは
間違いありません。

そして、
最近テレビのドキュメントで
こどもの病気の精神的サポートを行う
チャイルド・ヘルス・サポートの方が
常に病棟にいて
こどもたちの治療を受けるこころの支えに
なっている方がいることを知りました。

採血をはじめ治療は
こどもたちはしないといけないことが
わかっていても
実際、怖いし、痛いし・・・・したくないという
気持ちが必ずあります。
泣きわめいて、叫びて検査室に入ってきた
こどもたちの泣きはらした顔を見ると
絶対にこのこどもたちのために
いい検査、治療をしようと決意をし
全身全霊込めて治療をしていたことを
思い出しました。

そんな時
なるだけ恐怖の時間を少なくしようと
検査、治療の告知は
言うのをためらうことも多々ありました。
もっとじっくり、説得する時間があれば・・・と
過酷な業務に追われながら
心苦しく思っていた若き日のことが
思い出しました。

そんな時
24時間常に
必要であればこどもたちの側にいて
こころの支えになっていただける
チャイルド・ヘルス・サポーターを言う方の
存在はどんなに大きな存在だろうと
一緒に働いたことがなくても
ありがたい
病棟のマリア様のような存在なのでしょう。

そんなことを考えながら
テレビを見ていたとき
こどもたちに検査、治療を
納得できるまで説明できなかった自分の
未熟さを思い出しました。
今は、こどもたちにもっと向け合えるように
なっているかな?
研修医時代に出会った
こども達の顔が浮かびました。

「先生、先生らしく頑張ってるよ。
でも、まだ、逃げてることない?」
「え?なに?
逃げてること?」
「検査、治療、その先にあることだよ。
今があるのは何のため?」

「あ、それは
逃げてた・・・」

続きは次回ブログで

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