月別アーカイブ: 5月 2024

こどものほうへ

八木重吉の詩に
「てくてくと
こどものほうへ
もどってゆこう」
という詩がある。

この詩を作者が
どんな心境で書いたかはわからないけど
年取った姿が目に浮かぶ。

その人は老人で
シワシワの顔だけど
穏やかな表情で眠っているよう。
その日に焼けたシワの多い顔、手から
きっと、家族のためにはたらいてきたのだろう。
時折、ベットの横に
幼いこどもがくる。
そして、お母さんに
おじいちゃんの好きな春の小川を謳ってあげてと
促されたこどもは
素直に、おじいちゃんの耳元で
春の小川を歌い出す。
すると
その老人は何かを思い出したように
遠くを見つめ
言葉にならない雄叫びのような
大きな声を上げだして
その声を聞いてびっくりして
家族が集まると
安心したように
穏やかな表情で眠るように・・・
寝息をあげるのです。

人は
こどもとして
あの世に帰っていくのかもしれません。

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食の黄金ルール

現代ほど、食べ物に恵まれた時代は
なかったと思います。
食は栄養を補う目的だけでなく
食を楽しむことにまで
気持ちが向くようになりました。

それだけ
食に恵まれている時代になったのですが
その反面
かつてないほどの病気が
食によって引き起こされることもあり
健康に過ごすために
これを食べた方がいい
逆に食べない方がいい
という食の情報にあふれています。

確かに
食べることが
健康の基本であることは
今も昔も変わりはありません。

でもこれだけ食生活が
多岐にわたると
万人に共通する食に関する
黄金ルールはこの世には存在しません。
それに、人間の体質も
千差万別でもあるからです。

だから
誰にとってもいいものは
誰かにとっては毒にもなってしまうこと。
を知らないといけません。
そして食べてみないとわからない点もあります。
だから自分の舌を信じるしかないかもしれませんが
言えることは
「食べ過ぎず、偏らず」ということかも
しれません。

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粘土になって生きる

先日今大人気の俳人夏井いつきさんの
仕事を全面的にサポートされている
夏井さんのご主人・兼光さんの
なれそめと現在を特集した番組をみた。

離婚を経験した夏井さんを
最初は句にほれ夏井さんの句会に参加し出した
兼光さん。
何度もお会いして、サポートをしているうちに
両者に愛が芽生え
兼光さんが求婚しても
夏井さんは、二度と結婚はしないと
頑なに決めていて、その意志は強く
結婚しない理由を次々に兼光さんに投げつけたが
それでもいい・・・と打破していった兼光さん。
そのうち、全面的に
俳人夏井さつきを支えると言うことで
結婚したふたり。

夏井さんの俳句のために
二人三脚の結婚生活がはじまり
今の夏井さんがお二人の関係をきかれた時の答えが
「彼は粘土です」と言う答え。

粘土?
そう粘土
身体やこころの足りない部分、見にくい部分の
形を補い、形を整えてくれる粘土のような存在。
つまり
わたしの足りない部分を全て補ってくれる
粘土のような存在、
それが
ご主人の兼光さんの存在だと。

素晴らしい夫婦の形だと
感動したしだいです。

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夜がある理由

僕たちは
日が昇る朝を迎えると起き
日中は働いたり、学んだり
あらゆる生きるための活動をし
日が沈み、夜を迎えると
徐々に活動を止め
眠ってからだを休め
明日の活動の準備をします。

夜型の人もいるかもしれませんが
基本的には、このような生活をしている人が
ほとんどでしょう。

人間は
本来、日の出とともに起きて
日の入りとともに寝る。ということで
休息をしっかりとることで
元気をもらっているのです。

そう考えると
夜があることって、とても大切なんです。
暗くなり始めると
もうかつどうをやめる支度を
身体がそしてこころも始めます。
それまでしていた仕事が終わってなくても
もうやめて、明日また頑張ろうと
思うことも多いでしょう。

つまり
夜があることで
僕たちの生活がうまく流れるのです。
夜があるから
僕たちの生活にメリハリがつくのです。

でも、現代は
夜になっても、灯りをつけて
やろうと思えば
作業を続けることは可能です。
それを続けることは
人間本来の姿ではないから・・・
健康を害することになるのです。

なぜ、夜があるのかを考えると
今日を大切に生きられるようになりませんか?

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過去を大事に

過去に起こったことに
とらわれれすぎていると
前に進めないないことは
人生の中で経験することは
よくあります。

過去を振り返るな・・・と
言う人もいます。

でも過去の出来事は
確かに自分が生きてきた道であるのは
確かなこと。

だから過去のことに
囚われるのではなく
大切にして生きて行くことが大事なのです。

「過去をないがしろにした現在から
人間らしさを大切にする
未来は生まれてこないのです。」

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最初に学ばないといけないこと

こどもの時から
僕たちはおとなから、
社会生活を送るために大切な
様々なことを教えてもらって
その教えを身につけて
社会に踏み出しました。

お友達の悪口は言わない。
挨拶をしましょう。
人の嫌がることはしてはいけない
など多くのことを学びました。
その学びは社会に溶け込むため
孤独にならないための業ではあるけど
そのために
あなたのこころが孤独を感じてしまう
ことがあるかもしれません。

自分のこころが孤独を感じてしまうと
誰にも愛情を捧げることは
難しくなります。

だから、一番最初に学ぶことは
自分自身の一番のファンになること
自分自身に一番愛情を注ぐことなのかも
しれません。

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舎利子

この言葉は般若心経にでてきて
どこか耳障りの言い言葉で
印象的な言葉です。

舎利という言葉は
お寿司屋さんでごはんのことを
シャリといいます。
美味しいお米のことを
銀シャリといったりします。

このシャリという言葉は
この仏教語からきているのです。

「舎利」とはお釈迦様の骨のこと。
このお釈迦様の骨「舎利」を拾い集めて
金の箱に入れておいたら
美しく輝く小石のようになっていたという
逸話があります。

この小石のように綺麗な骨が
お米にそっくり似ていたから
銀シャリというようになったそうです。

仏教では
釈迦の遺骨として舎利殿に貴重に安置されるほど
大切に扱われています。

舎利には忘れてはいけない大事な点があります。
舎利=骨が人間全体の支えであると言うこと。

骨は、なんの文句も言わずに
自分たちの活動を支えてくれていることを
忘れてはいけない
ということが、この言葉に込められている
とても有り難い言葉なのです。

※「子」は尊敬語の意味があります。

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守命者として

九州大学大医学部第二外科の前原喜彦教授が
退官されました。

前原教授の最終講演で
同教室訓だという「一に人格、二に学問」を引用され
「人格を磨き、社会に貢献する外科医へという思いで取り組んでいた」
と述べらました。

おっしゃる通り
教授就任以来、約15年間で
お弟子さんが26人も教授に就任されているそうです。
そして
医療人としての生涯振り返られ
医療人の生涯をたるもの
「人類への奉仕の生涯」
「自分への厳しさが求められる生涯」
「休むことのない生涯」
の3つで表現され
「医療人は労働者でもあり経営者でもあるが、
『守命者=命の番人』としての自覚と社会的な認識が必要」
と説かました。

人間医師として
あるべき姿は
平安時代に書かれた
日本で最古の医学書「医心方」にも
すでにこのように書かれています。

「医師が患者さんの治療に当たるときは
心静かに、精神統一し
何かを欲したり、求めるのではなく
患者さんをただ慈しみ、いたわる心で
命あるものを心から救いたいと
念じなければならない。

病気の人に救いを求められたら
誰でも同じように
親が子を思うように接しなければならない。
患者さんの苦悩をみれば
自分のことのように悲しみ
救いを求められれば
どんなに疲れていても
空腹や喉が渇いても
我がことを忘れ
一心に患者さんことを考え
自分の利益や名誉を考えてはならない。」
(医心方 現代訳より)

医療人として、命の番人としての
日本古来からずっと引き継がれ
これから後進のために
伝えていかなければならない
大切な心構えだと思います。

そして
最終講演の最後に
前原先生はスライドに
教授就任以来教室に在籍された
教室員全ての名前を流し
謝辞を述べられたそうです。

実は
前原教授とは
専門外なので、全く面識はないのだけれど
医師として、
どんな時にも忘れてはならない大切なことを
伝えてくれたことに感謝です。

これからの医者人生
守命者として更に精進することを
ここに誓いたいと思います。

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大切な今

 

こどもに今しかない
こどもが中学校に入学した時に
中学生という時間を大切に過ごしてもらいたくて
詩を作りました。

“大切な今”

昔の自分の行動の結果が
今の自分の人生の結果
だから
今自分の行動が
未来の自分の人生を作っていく

だから

どうなるかわからない
未来のことを悩むより
終わったことを
嘆くよりも

今起こっていることを
正面から受け入れ
今を大切に楽しんで
生きていこう

胸躍る未来に続く
貴重な今を
大切に生きていこう

☆5/19「どう生きてどう死ぬか」の出版記念講演会
&ヴァイオリン&ピアノコンサート
多くの方にお越しいただき
無事終了することができました。
みなさんの温かい気持ちに支えられた時間でした。

どうもありがとうございました。

今回のコンサートの収益の一部を
赤い羽根共同募金を通して
能登地震復興支援のために102205円を寄付したことを
ご報告させていただきます。

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こどもは小さなおとなじゃない

この春
アレルギー学会主催の
アレルギー講習会に参加してきました。

この講習会は
学会でいう知識の最先端を報告というより
新たな知識、技術を
医師に伝えようとするのが
主な目的。

今の臨床的に新しい知見は
毎日のように発表されています。
その中で、よりエビデンスがはっきりしてきたもので
もっと臨床に使ってもらおうと
始まった研修兼学会なのが
この講習会。

僕が今とても興味があるのは
免疫療法という
スギやダニアレルギーを持っている人に
抗原を投与して
免疫を高めようというもの。

この治療は
経口でできること
5歳以上のお子さんからできること
アレルギー性鼻炎にしか適応がないが
この治療を行っていると
喘息などのアレルギーマーチの進行を
遅らせるのでは
・・・など実際臨床に導入したい内容。

ただ
最低3年は続けなかったり・・・
ちょっと患者さんにとっても根気のいる治療。
特にこどもの場合は
なかなか継続が難しいという
現場の声が聞こえてきた。

そんな中で
登壇された小児科の医師が
こんなことを話してくれた。

こどもにも治療を選択する権利がある。
だからしたくなかったら
しなくてもいい権利はある。
でも、その前に
保護者だけでなく、こども独りひとりにも
なぜその薬が必要か
それを飲むことでどんな未来が待っているか
こどもにわかるレベルではなしましょう。
例え、赤ちゃんでも
ちゃんときいてくれますよと。

本人が納得してくれれば
継続治療だって可能。
これは舌下治療に限ったことでなく
全ての小児科医へのメッセージだと受け取った。

この講演の中で
こどもは、小さなおとなではない
という言葉がこころに残った。

☆5/19「どう生きてどう死ぬか」の出版記念講演会
&ヴァイオリン&ピアノコンサート
多くの方にお越しいただき
無事終了することができました。
みなさんの温かい気持ちに支えられた時間でした。

どうもありがとうございました。

今回のコンサートの収益の一部を
赤い羽根共同募金を通して
能登地震復興支援のために102205円を寄付したことを
ご報告させていただきます。

カテゴリー: 真実の医療 | こどもは小さなおとなじゃない はコメントを受け付けていません