抗生剤

抗生剤という薬は
大変誤解も多く
最近ではその使い方を伝えることが
とっても大事になってきた
薬です。
そこで
今日は抗生剤であわてないです
抗生剤は、どういう薬かというと
細菌(ばい菌)をやっつける薬です。
ウイルスなどの細菌以外の
微生物には効かないことを
まず知っておいてください。
日常
こどもが病院にかかるのは病気で
最も多いのが
風邪だと思います。
風邪の原因の90%は
ウイルスによるものです。
ですから、風邪の多くには抗生剤は効かない
ということを知っておいてくださいね。
ですから
熱がでた・・・決して抗生剤が必要って
わけじゃないんですね。
でも、どうして
こんなに抗生剤が必要に
思われるようになったか?です。
戦後まもなく登場した抗生剤。
抗生剤を使うと
それまで治りにくかった
重症の肺炎が治るようになり
”夢の薬”と言われるようになりました。
だから
熱が出ると
抗生剤をのんで、熱が下がる(治る)
また、熱が出る、抗生剤を飲む
治る
・・・・ということをくりかえし
医師も患者さんも
抗生剤を飲まないと治らないように
気がしてきたんですね。
でも
実際は、熱の原因の多くは風邪、
それも多くの原因はウイルスなので
抗生剤が効いたのではなく
実は自力で治ってたんですね。
必要でないのに抗生剤を飲んでいると
どうなるか?
副作用が心配ですね。
3つ心配な点をお話ししますね。
まず第1に
抗生剤をのんでいると
薬の効かない耐性菌が増えてしまうこと。
細菌も生き物です。
生き延びるために必死です。
ですから、生き延びようと
自ら変化して
抗生剤に負けない細菌になってしまいます。
ですから
抗生剤を使いすぎていると
いざという時に
抗生剤が効かなくなってしまいます。
2番目に腎臓、肝臓に負担をかける
ということです。
抗生剤は、肝臓や腎臓で代謝されるので
腎臓や肝臓に負担をかけて
機能が低下してしまう可能性があります。
また
抗生剤により
アレルギー反応を起こすこともあり
重症な場合は、
スティーブ・ジョンソン症候群という
発熱、皮膚炎、目に変化が起きて
死亡することもあります。
3番目に
抗生剤を飲んで下痢をする方
結構いらっしゃいます。
これは
抗生剤が、腸内にいる
善玉菌を殺してしまうので
腸内細菌叢が壊され
腸内のバランスが崩れたために
下痢をしてしまいます。
腸内は様々な免疫などに
関わってること最近わかっています。
ですから
腸内の環境を整えることは大切です。
このように
色々問題のある抗生剤ですが
抗生剤は絶対使っては
いけないわけではありません。
何となく
効くような気がするから
心配だから
というような曖昧な使い方は
益なしっていうことに
なりかねません。
そして
ご家庭で気をつけてもらいたいことは
熱が高い時だけ飲んで
良くなったので、2回、1回と減らしました。
前回の抗生剤の余りを
1回飲ませました。
という、中途半端な使い方は
診断が遅れたり
耐性菌が増えることにつながり
治療に難渋することになりまねません。
抗生剤は、とってもいい薬です。
それは、昔から今も変わりません。
でも、使い方によっては
毒にもなります。
抗生剤は
いざという時に
あわてないように
日頃から使いすぎに気をつけながら
使う薬ですよ。

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