月別アーカイブ: 10月 2024

臨済四喝

禅道場では
叱咤激励するために喝をいれる
ことはよく経験されます。

喝には四つの意味があると
臨済禅師は教えています。

①金剛王宝剣の如く
②踞地(こじ)金毛の獅子の如く
③探竿影草(たんかんようぞう)の如く
④一喝の用(ゆう)を作(な)さず

金剛王宝剣は
どんなものも一刀両断してしまう名刀です。
この名刀のように迷いや執着、
我欲や妄想などの煩悩、また
善悪や美醜という風に
ものごとを二元論的にとらえる分別を断ち切ってしまうこと。

踞地は大地にうずくまること。
大地にうずくまって獲物を狙っている獅子のように
胆を縮みあがらせ
思い上がりや傲岸さを紛糾する喝。

探竿影草は
草の下に魚がいるかどうかを
竿で探るということ。
つまり、相手の力量を探り、はかる喝です。

一喝の用を作さずは
喝の働きをしないこと。
その意味は、他の三つの喝の本源であり
しかも、三つの喝を飲み込んでしまうような喝。
つまり、先の三つのように
「~する(ための)喝」というところを超越した
喝といっていえるでしょう。

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同時接種

8/5に予防接種について投稿しましたが
予防接種ができるのは、幸運なことで
今、予防接種で予防できる病気が増えるのは、有難いけど
その反面、ワクチン接種する回数が増えています。

1歳までの定期接種だけでも、
小児肺炎球菌、ヒブワクチン、4種混合、BCGなどがあって
ほとんどが2回から3回するものばかり。

これに、ロタウイルス、B型肝炎の任意のワクチンもあるので
1歳前に15回程度も予防接種を受けなくてはなりません。

ですから、赤ちゃんというよりも
お母さんが注射の回数の多さにびっくり。

そして、今は2種類以上の予防接種を同時接種することが多いので
お母さんが、「同時に予防接種をしても大丈夫ですか?」と
心配されることが多いです。

そこで、今日は予防接種の同時接種についてです。

複数のワクチンを同時に接種する同時接種は問題ありますか?
の答えは、

ズバリ「全く問題はありません」

日本では、最近でこそ、同時接種が主流ですが
同時接種は以前から認められていた行為です。

予防接種が普及している海外では、
同時接種の方が一般的です。
(実は、日本は、予防接種後進国と言われています)

そして、
ワクチンの有効性や副反応について
同時接種と単独接種と差がないことが科学的に証明されています。

日本小児科学会でも

同時接種をした場合

①お互いのワクチンによる干渉(影響を及ぼすこと)はない
②有害事象や副反応の頻度があがることはない
③同時接種において接種できるワクチンの本数は原則制限がない

また、
同時接種する利点として

①各ワクチンの接種率があがること
②こども達から、ワクチンで予防できる疾患が早期から守られる
③保護者の経済的、時間的な負担が軽減する

よって、同時接種を勧めています。

でも、
同時接種じゃないといけないわけではありません。

お子さんの接種時の体調、基礎疾患の有無によっては
単独接種にすることもあります。

また
どうしても、一本ずつで言われる親御さんもいらっしゃいます。
毎週通ってもいいという親御さんもいらっしゃいます。
ご希望があれば、もちろん一本ずつ接種します。

予防接種を早く接種したいのは
赤ちゃんの時に病気に罹らないようにするのが目的なので
予防接種をどのように接種するかではないのです。

医者は
予防接種が間に合わなくて、病気に罹ってしまうのを恐れています。
お母さんは
予防注射の傷みが我がことのようにつらいのです。

予防接種をする時
実は、赤ちゃんよりもお母さんが緊張していらっしゃいます。
ですから
お母さんの気持ちがリラックスできるように努めています。

赤ちゃんは、注射のときには意外にケロッとします。
実は、一番注射の時に、頑張ったのはお母さんなんです。

だから、お母さんをいっぱい褒めたくなります。
よく頑張ったって、言いたくなります。
予防接種の時の
お母さん達のつらさも、よくわかっています。

一緒にこどものために
頑張りましょう。
ですから、予防接種の時も
あわてず、怖れずに受診してくださいね。

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即今、当処、自己

いま、その瞬間に、その場所で
自分が成すべきことをやっていくことが
大切なのだという禅語です。

どんな人にもそのとき
その場所で成すべきことがあります。
そのことを、意欲をもって、しっかりやっていく。
それが生きると言うことの基本です。

のんべんだらりと日々を送ったのでは
何も得ることはありません。
そして、折角頂いたいのちを粗末にして生きる
ことになってしまいます。

そして今を大切に生きることで
なすべきことをやるということに集中し
結果に拘泥しないということなのです。

仕事をする時も
目の前の仕事に集中し
全力で取り組み
その仕事に対して、あなた以外の人が
評価するかどうかにこだわらず
取り組むことが大事だと言うことを
教えてくれている言葉です。

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「いいね」の数では測れない人生を生きよう(本日休診です)

☆ 9/17(火)~9/21(土)夏季休暇のため休診です。
ご迷惑をおかけしますが、ご了解ください。

社会の中で生きている限り、悩みは、同僚や友人との比較から生じます。
「あの人はできるのになぜ自分はできないのだろう」と
我が身を嘆くようになるのです。

自分にないものを持っている人、
自分ができないことができる人を
”いいね”とうらやましく思うのは、自然な感情だと思います。

しかし、その先にあるのは
羨望、嫉妬、嫉みなどの負の感情が生まれ、
その感情がみなさんを悩ませ、
生きにくくしていくことだってあるのです。

みなさんは比較する世界からの脱却ができて、
初めて一人一人の人生を進めることができるのです。

みなさんは生まれつき素晴らしいものを持っています。
みなさんの能力、学力も地位も貧富も
自分以外の人と比較することで生じた相対的評価であって、
あなた自身の絶対的評価でないことを知って、
胸をはって、自信をもって、
自分らしく生きて今日を生きていきましょう。

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眼横鼻直(がんのうびちょく)

眼は横に、鼻は縦についています。
これは、きわめて当たり前のことです。
しかし、この当たり前のことを
成しているのは誰なのでしょう。

親でもなく
もちろん自分自身でもありません。

人知を超えた大いなる力の仕業です。
別の言い方をすれば
大いなる力によって
そのように授けられたのです。
そうであるならば
そのあるがままをありのままに、ありがたく
受け取ればいいことを
この言葉は教えてくれているのです。

ちなみに、道元禅師の言葉と言われています。

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笑顔のすすめ

赤ちゃんを診察することがあります。
病気なのに、
ニコニコ笑ってくれる赤ちゃんがいます。

診察しながら、赤ちゃんの笑顔を見てると
しあわせな気分になってることがあります。
当直明けでで疲れてる時も、
“笑顔”で癒されました。
元気をもらうこともありました。

こんな笑顔で過ごせたら、
しあわせなが舞い込んでくるだろうなと思います。

笑顔には
自分の心を穏やかにさせて、
周りの人をしあわせな気持ちにさせてくれる力が
あるんだと思います。

おこさんがしあわせでいるために
うれしい時、楽しい時だけでなく
悲しい時、辛い時も
子育で疲れた時でも
どんな時でも
笑顔でいてあげて下さい。
作り笑いでいいので
お子さんに微笑んであげてください。

笑顔は希望です。
つらい時でも笑顔でいると、
負けない元気がもらえることに気がつくでしょう。
笑顔は勇気です。
負けそうな時でも笑顔でいると、
頑張れる力をもらえることに気がつくでしょう。

お父さん、お母さんが笑顔でいると
おこさんも笑顔になります。
おこさんの笑顔は、あなたの心を明るくしてくれます。
そして、笑顔は
どんどん周りの人に広がって行きます。
一人の笑顔が、たくさんの人に笑顔をもたらしてくれます。
そして、みんなの心を明るく照らし、
みんなの心の中のしあわせの遺伝子が動き出すことでしょう。

お父さん、お母さんから
笑顔の力を学んだこども達は
どんな困難な時でも、笑顔を忘れないことでしょう。
そして、しあわせをつかむことでしょう。

お父さん、おかあさんの笑顔は
こども達をしあわせにする力があります。
だから、どんな時も
あわてないで、笑顔でいてください。

☆ 朝から、溝口メンタルセラピストスクールのセミナーを
受けるために大阪に行ってきました。多くのことを学び
頭の中少しパンパン状態だけど、帰りの新幹線では、
のんびり、頭を休めながら、 帰ったので、
すぐ復活できました。学べたことに感謝です。

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諸法実相

諸法というものは
存在する全てのもののことです。
自然の山や川、木や花はもちろん
人間も諸法に含まれます。
それらは悉く実相、つまり真実の姿
真理であるというのです。

至る所に真実の姿、真理があるのだから
それに気づく機会もふんだんにあるのです。

たとえば、花は時を得て咲き、また、
時を得て散ります。
そこには何の計らいもありません。

人知を超えた大いなる力が
そうさせているとしか考えようがないのです。

そのことを仏の徳ともとらえられます。
この徳はあらゆる存在に行き渡っています。
全てのものに行き渡っている徳、真理に気づきます。

そのようにしてひとつずつ
この世に満ち満ちている真理に気づくことも
小さな悟りと言えるのでしょう。

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母親の子育てと父親の子育てのちがい

母親と父親の子育ては
本能的にかどうかでは定かではないのですが
生物学的な考え方が違うような
気がします。

母親はこどもを「弱者」と考えて過ごします。
それは、生まれるまで
体内でこどもの生育を育んできたという
歴史がそうさせるのでしょう。

ですから
こどもが生まれてからも
10ヶ月間育んできたこどもの思いから
「この尊くか弱いいのちを
生き延ばらせるために、守ろうとするのでしょう。
ですから、母親は
普通に成長するために力を尽くすのです。

これに対して、父親は。
生まれた時のこどものか弱さに触れた瞬間
この子を守ろうと決意するのは
母親と同じでしょう。

こどもはか弱い存在だからこそ
この集団で生き残りためには
相対的に強者として生き残らせないといけない。
勝ち残って行く術を
伝えないといけないと思うのです。

これが父親と母親の子育てに対する
大きなちがいはあるとしても
父親に母親的育児の思いがかけてるわけではなく
母親も同様に
父親的な面も持っているのです。

ですから
子育てには
母親的育児、父親的育児
どちらも必要だということでしょう。

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便秘症

最近
便秘のための強烈な腹痛での受診が目立ちます。

浣腸を何度もしたり、便を掻き出したり
それでも、腹痛が改善しないため
小児外科の先生にお願いすることもあります。

便秘は日頃の生活と密接に関連しています。
便秘のことを、知っておくと防げるヒントがいっぱいです。
そこで、今日は便秘症について。

まず、便秘症とは
排便回数が少ないために、うんちが硬くなって
排便時に痛みや出血を伴って、排便困難が生じることです。
排便が3~5日間ごとであっても、排便時の苦痛がなければ、
便秘症とは言いません。
逆に
1日に何度も硬くてウサギの糞のような便が出るような時も
便秘症といいます。

便秘症は、毎日の生活の中に原因が潜んでいます。
そこで、便秘になる背景をお話しします。

①排便しない習慣
朝、ギリギリまで寝てて、うんちをする時間がなくて
登園・登校してしまう。
学校や幼稚園で、うんちをするのが恥ずかしくて、
うんちを我慢してしまう。

②便秘を生む食習慣
こどもが好む食べ物は、たんぱく質、脂肪分の多い、
カロリーが高くて便になりにくいお菓子や甘いものです。
これらの食べ物は、消化がよく、大部分が吸収されるので、
食物残渣が少なくなるので便の大腸内停滞時間が長くなり、
水分が吸収され、うんちがだんだん硬くなってしまいます。

③精神的因子
幼児期の排便時叱られたリ、強制的に長時間トイレに
座らされたり、排便時の恐怖があると我慢する習慣が
生まれてきます。

④悪循環
うんちがしたくなるのは、直腸に便が溜まってくると
うんちがしたくなります。
でも、直腸の粘膜は、柔らかくて伸びるので、直腸に
便が溜まると直腸の粘膜がたるんでしまい、便意を
感じにくくなってしまいます。
便意を感じないので、直腸にどんどんうんちがが溜まり、
うんちもどんどん硬くなってしまいます。
ですから、うんちをする時、痛みを伴うようになります。
そして、痛みのために、うんちをすることに対して恐怖を
かんじ、我慢します。
ますます、うんちが溜まり・・・どんどん悪循環が
生まれてしまいます。
ですから、
便秘にならないためには、直腸を空にする生活習慣が大事です。

①トイレに行きたくなったら、我慢しない
②ゆとりのあるリズムで生活し、ゆとりある時間にトイレに
座る。
早寝早起きして、朝食をゆっくり取りましょう。
朝食後しばらくすると、大腸の運動が1番活発になるので、
その時にトイレに行きましょう。
朝食後あわてて、出かけると、うんちがでませんよ。

③食事に注意しましょう。
野菜、海藻、果物、芋類、豆類などの食物繊維を
沢山とりましょう。
食物繊維を多くとると、便のかさが増えて、便意を
もよおしやすくなります。

逆にこども達の大好きな高タンパク質、高脂肪分の食事、
カロリーが高くて、便になりにくいお菓子や甘いものは、
お腹に長くたまりやすく、便秘の原因になりやすいので、
できるだけ控えましょう。

以上のことに気をつけても、改善しない時は
病院を受診しましょう。

病院で、浣腸やお薬で溜まったうんちを出したり、
うんちたまらないようにする治療が必要になります。
うんちが溜まればたまるほど、本人は苦しくなります。
うんちが出てないなぁと思ったら、
ほっとかないで
早めに対応してあげることが、便秘であわてないコツですね。

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「看」の字の語源

看護の「看」の字を見ると
手と目というふたつの字を
組み合わせて出来ていることがわかります。

その語源を調べると
やめる人の容体を
手をかざすようにして
目でもよく確かめてみるという
意味になるのです。

つまり
患者さんをよく観察し
見守ることが
看護の真の姿であると
考えられます。

これは看護士だけでなく
医師にも伝わるこころのひとつで
患者さんの容体を充分に把握した上で
次の段階として
病んでいる人のこころとからだを守ることなのだと
この字が教えてくれます。

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