消化器外科医の西村元一先生が
自らのがん闘病記の中で
こんなことを書かれていました。
「がんになると
いろんな“フリ”をしてしまいます」と
自分だけでなく
家族も親しいひとも“フリ”を
してしまいます
仕事場では来年があるのが当然のような“フリ”
誰もが悲しんでなどいけない“フリ”
自分も怖がっていない“フリ”
受ける治療に迷いがない“フリ”
“フリ”をすることで
強い自分でいようとして
闘っているのです。
でも
“フリ”をすることで
だんだん
“今までの自分でいられなくなる”
周りに弱みを見せられなくなる自分
もっと悪くなったらどうしようと
不安いっぱいの
本当の自分の気持ちを押し殺して
本当の自分でない自分がそこにはいる。
がんにかかった人でなくても
病気になった人
毎日の診察に訪れた
目の前にいる患者さんは
“フリ”をして
がんばっているのかもしれない。
診察室で
患者さんは
不安いっぱいの気持ちを隠し
理解しようとして
これで元気になれると
安心した“フリ”を
してることがあるかもしれない。
診察室の中でも
“フリ”はせず
自分の気持ちを全てだして
自分らしくいてもらいたい
僕も
患者さんの気持ちを、思いを、不安を
全て受け入れられるよう
“医者”としてだけでなく
“ひと”としても
しっかり向き合いたいと思っています。
病気の時こそ
“フリ”ではない
心の通ったコミュニケーション
本音同志のコミュニケーション
“真”のコミュニケーションが
元気になるために
必要なのだと思います。