日別アーカイブ: 2024年12月17日
神話の役割
世界の多くの国には
物語のような神話が多く存在する。
日本にも
古事記という、国造りの神話がある。
ここから多くの神様の存在がある。
その成立は7世紀と神話としては
最近の様な気もするし
その時の日本の状況を考えると
成立の裏には
その時の権力者の思惑もある気もするけど
現代の日本人にとっての
心のふるさと、原点になっているのは
間違いない。
アメリカの著明な神話学者ジョーゼフ・キャンベルは
神話には次のような役割があるといっています。
①神話は宇宙の成り立ちを説明し
自分が何者であるかを教えている
②神話は、神秘的な物の前で
謙虚になり畏怖の念を抱くことを教えている。
③神話は社会秩序を支え、
どんな状況の中でも人間らしく生きるためには
どうすべきかを教えている。
その上で、彼は
「自然の知恵と元どおり和解することを
学ばなくてはなりませんし、
動物と、そして水や海とともに兄弟であることを
もう一度自覚すべきです」と
語っています。
古事記も、その成立の経緯に
いろいろな思惑があるだろうけど
神が主人公になった時点で
神が語る言葉が真実になるのかもしれない。
そう言えば・・・誰かが
神話を持たない国は滅びると
いった言葉を思い出します。
神話、古事記を大事にしないといけない
本だと思います。
武士の考えた死とは
葉隠の中に
「武士道というのは
死ぬ事を見つけたり」と
書いてあった。
昔の人、特に武士は
いつ死ぬかもしれないという
常に死と隣り合わせで生きていて
死のことを
いつも頭に置いて覚悟をもって生きていたと思います。
実際、武士は
「人は死と向き合ってこそ
意味のある『生』を送ることができる」
「人はこの世に誕生した瞬間から
『死』というゴールに向かっている」
と考えて生きて来られたのでしょう。
人はみんな、栄光のゴールである
『死』を迎えたいはずなのに
現代は、いつしか『死』を
縁起の悪いもの、不幸なものとして
忌み嫌うようになってしまった。
これは
死に対する考え方は
現代人の生き方を端的に現していると思う
コロナ感染での対応でわかるように
いのちと経済を天秤にかけているところがある。
つまり
物質世界を守るのと
経済を回すことが生のゴールと
考えているのだろうか?
死んだら終わりだから
今の生を守ろうとする気持ちが強くなっている。
生を考えるものとして
医療はある意味科学の頂点であるが
死をゴールとして
終わりなのか、終わりでないのかで
人の人生は大きく変わってくる。
誰も死の世界を語ることはできないから
死で終わりと考えていいのか?
死を考えることで
生も輝いていくのだと思う。
僕は生を仕事とする医師として
死をもともしっかり向き合わないといけないと
日に日に強く思うのです。
ですから
縁起が悪いと思わないで
時々、僕の考える死について
耳を傾けていただけると
うれしく思います。