真夜中、ひとり
目には見えない
くり返す波の音を聞きながら
思う。
今もくり返される
波の音は、いつ始まったんだろう。
地球が生まれてきた時から
刻み続けられている
正確な永遠の時間。
でも
波の音に耳を傾けていると
打ち寄せてくる波の音は
全く同じ音ではないことに
気がついた。
波の音に
風の木々を揺らす音が重なり
雨音の音が
絶妙なハーモニーを醸し出している。
この自然のハーモニーを
最初に作り出した人は
きっと人間の
いや、世界全体のしあわせを願って作り
永遠にしあわせを作り出すと
思っていたにちがいない。
この世界ができた時には
確かにしあわせが合ったのだと思う。
そのしあわせな時間を壊してしまったのは
ひょっとしたら
人間なのかもしれない。