祖先から受けついだ温かい人間味

1960年頃
イラクにあるシャニダール洞窟で
ネアンデルタール人の9体の人骨が
発見されました。

このネアンデルタール人は
今から3万5000~6万5000年くらい前に
生きていた人々であったことが
推定されています。

この人骨の周囲には
多くの花の花粉が落ちていて
埋葬された時には
多くの花に囲まれていたのかもしれません。

周りの人に大切にされ
その死を悼む心が
ネアンデルタール人にもあったのでしょう。

それとともに
僕がびっくりしたのは
この人骨のひとりは
左の眼窩が粉砕骨折していて
右手がなく、足の骨も変形していて
この状態ではうまく歩けなかったことが
想像できるのです。

何らかの事故による損傷かと思うけど
驚いたのは
その怪我が原因で死亡したわけではなく
しばらく生きていた可能性があると
言うことがわかったというのです。

つまり
目も見えない
右手も使えない
つまり自分では何もできない
みんなの力を借りて生きていたという
事実なんです。

現代よりも
医療もなく、過酷な自然の中で
仲間を必死で介護して
共に生きようとした
ネアンデルタール人の心に触れた気がして
胸が熱くなったのです。

そして、その時
その熱い思いが
自分のDNAや魂にも刻み込まれていることを
知ったのです。

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