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最近の授乳風景
小児科医をしているので
お母さんが我が子に授乳している風景は
よく見かける。
赤ちゃんがお腹を空かして泣くと
授乳するのは今も昔も変わらないが
自分がこどもの時の
いわゆる昭和の時代は
授乳室といった気のきいた場所はないし
ミルクもそんなに流通していなかった。
だから、お母さんは
バスに乗っていても
町中をあるいても
赤ちゃんが泣けば
乳房をだし、赤ちゃんに直接母乳を
与えていた。
その光景に
こどもながらに、目を伏せ赤面していながら
エロスよりも女性、母親のたくましさを
こどもながらに感じていた。
時代は進み
現代は授乳室もトイレと同様に
整備されるところも増え
母親が授乳する光景を目にすることは
少なくなった。
でも
自分は小児科医なので
授乳している光景を目にすることがある。
もちろん、待合室で
直接母乳をあげているお母さんは
目にしなくなった。
それに対して
最近は片腕で我が子を支え
片手で器用に哺乳瓶を加えさせ
もう片手には携帯をもち
携帯の画面を見ながら
器用に親指だけを動かしているのを
よく見かけるようになった。
母乳を吸う赤ちゃんの顔を
ほとんど見てないのです。
大事な授乳中でさえ
もっと緊急を要することのように
メールの確認や打ち込みをしているのです。
その光景を見ながら
目の前の我が子という現実の世界より
携帯の中のバーチャルな世界の方を
大事にしてるように思えて
今後の子育てはどうなってしまうのか
危惧してしまうのです。
カテゴリー: 子育て
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