愛づる

この言葉は
平安時代の短編集「堤中納言物語」に収められている
「蟲愛づる姫君」に登場でてきます。

このお姫様は、虫が大好き。
毛虫を手のひらにのせて
「かわいい、かわいい」といってるので
まわりの人は蝶は美しいけど
それに比べて毛虫の姿は
「気味が悪い」などというのです。

お姫様は
「この毛虫も蝶になれば
みんな美しいと喜ぶけれど
蝶になった後ははかないいのち。
毛がもじゃもじゃの今の毛虫の時の方が
本当に見事に生きているのです。
だから、この毛虫が愛おしいのです」と
語るのです。

つまりこのお姫様は
生きている見た目の姿ではなく
まさに生きている姿を
見抜き
外見ではなく、生きていく姿を
かわいい、つまり愛したのでしょう。

この話しのように
生きていることを
めづるこころ出向き合うことで
色々な本質が見えてくるような気がします。

年をとること
老いることを愛でだいと思います。

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