患者さんは40歳の女性。
午後から腹痛が続くと受診。
診察室に入った時から、
何かあるのか
?何もなければいいけど・・・
胸騒ぎのする痛がり方。
診察すると、
痛みの部分にかなりに便が溜まってる
4日間便も出ていない。
血液検査もレントゲン写真も異常がない。
重度の便秘症か?浣腸をした。
すると、痛みは軽減、便も出ていた。
これで一件落着・・・・と思ったけど
しばらくして、また腹痛が出現。
これはもっと詳しい検査が必要と判断。
2次病院を紹介。
CT検査で卵巣の頚捻転が腹痛の原因と判明。
翌日手術。
お腹を開けてまたびっくり、卵巣のう腫も多発していて、
卵管がねじれてたとか。
無事手術も終わり
術後も順調ですっかり治ったと今日報告に来てくれた。
卵管が捻転、そしてのう腫も多発。
普通なら痛みは尋常じゃないはず。
術後も全く痛み止めを使うこともなかったので
きっと痛みに強いんだろうと言われたとか。
そんな話を聞いて、ふと思った。
痛みに敏感だったら、もっと早く対応できたかも。
痛みってとっても大事なサインだなぁと改めて思った。
痛みがあるから、
患者さんも必死で訴えるし
医者も必死で痛む原因を探す。
でも、みんなは痛みが嫌い。
だから、
痛いと痛み止めを飲んで済まそうとする。
でも、痛み止めを使って痛みがなくなっても
それは根本的治療じゃなくて
薬が切れるとまた痛くなる。
繰り返してるうちに、
病気はどんどん進行する。
そして、病院に行った時には、大変なことに・・・・
痛みって、身体が発する重要なサイン。
こどもでも同じ
熱がある、どこか痛がる、不機嫌
そんなサインを大事にしてもらいたい。
痛み止め、熱冷ましを使って
よくなったと思わないで。
痛みがあれば、
原因を見てもらって、治療を受けましょう。
からだが出すサインを
素直に受け止め留めるのも
あわてない育児のひとつです。
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この本で記した僕の経験が、思いが
医師としてだけでなく、病いを経験したひとりの人間として
ひとりでも多くの方のお役に立てることを願うばかりです。
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