熱、せき、鼻汁で
受診される患者さんが多い小児科では
必ずのどを診ます。
口の中を開けてもらって
のどをみると
色んな事がわかるんです。
のどが全体的に赤かったら
ウイルス性?
扁桃腺が腫れていて
白い膿がべったりついてたら
細菌性の扁桃炎かも?
口内炎のようなものができたら
ヘルペス、ヘルパンギーナ、手足口病
はたまた水ぼうそう・・・?
頬にざらっとした発赤があったら
もしかして
はしかかもしれない
などなど
のどを見ると
色んな情報を伝えてくれます。
のどを診ることの重要さが
伝わったからなのか
最近、
”のどが赤いです”
”のどに白い物がついています”
診察前に所見を教えてくれることがよくあります
”のどが赤いので受診しました”
と言ってあわてて受診される
お母さんがいらっしゃいます。
でも、実際診察すると
それほど赤くないことも
白い物って、どれだろう?
とはっきりしないこともよくあります。
実際、のどの所見って
人それぞれなんです。
風邪をひいてても
のどが赤くなっていない人もあります。
これから、変化しそうなみずみずしいのどだったり
乾燥して赤くなっている
その日の状態も色々教えてくれます。
同じ人でも
診るたびに違っています。
のどの所見は刻々と変化して千差満別です。
だから
のどの所見だけで
全てが決まってるわけではないんです。
症状、全身状態、リンパ節、聴診など
様々な情報をもとに
たとえ風邪であっても総合的に診断しています。
だから
のどが赤くても、あわてないでくださいね。
また
のどが赤いと
のどが痛いんじゃないかと思ってしまいます。
おとなであれば
風邪をひけば多少はのどは痛くなることは
経験されることがよくあります。
ですから
のどが痛いと
食事がとれない?眠れなくなる?など
心配なことが次々浮かんできます。
そこで
”のどが痛くない?”と
思わず聞いてしまいますよね。
こどもって経験や知識が乏しいので
”痛い”と聞かれれば
”痛い”と単純に答えてしまいます。
”痛い”と思っても
食事もしっかり食べれて、
普通におしゃべりしたり、笑ったりしてたら
大丈夫。
そっと、見守ってあげて下さい。
痛いと聞くと
素直に”痛い”と答えてしまうのが
こどもですから
のどを診せるって
おとなでもこどもでも
結構みんな苦手です。
お家でのどを無理して診る必要はありません。
のどの情報は色々教えてくれるけど
のどの所見と同じくらい、
いやそれ以上に大切なのは
お家で
どんな症状がある?
ごはんを食べてる?眠れてる?
ご機嫌に過ごしているって
ことですから
そのことを
是非診察室で教えて下さいね。
のどが赤いと言われても
あわてないでください。
それよりも
大事なことがあるってことを
忘れないでくださいね。
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医師としてだけでなく、病いを経験したひとりの人間として
ひとりでも多くの方のお役に立てることを願うばかりです。
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