前回のブログで紹介した
チャイルド・ライフ・スペシャリストの続きです。
チャイルド・ライフ・スペシャリストの
第一人者とも言える
藤井あけみさんが
著書の中で
次のようなエピソードを紹介しています。
入院しているこどものみんなで
手紙を書こうと計画していました。
宛名は誰かにするかは
当日発表することにしていました。
その手紙は
天国に送る手紙。
宛名は最近亡くなったお友達に宛てて
書くことと藤井さんは決めていたそうです。
その計画を聞いた
主治医が、それを書くことは無理だよと
仰ったそうです。
なぜなら、こども達には
そのお友達は退院したと伝えているのです。
退院したので病院にはいない。
退院先は・・・家と考えるのが
こどもたちは思うでしょう。
僕も小学生の時
学校帰りに祖母のお見舞いに
病院に行ったとき
病室にいるはずのベットは空っぽ。
看護師さんに聞くと
退院して、おうちに帰ったよ・・・と
教えて下さいました。
あれ?急に元気になって帰れたんだ。
良かった・・・と思って帰ると
祖母が亡くなったことを知ったのです。
医師になってからも
亡くなったとき、おうちに帰ったよ
という言い方をして
はっきり亡くなったなんていいませんでした。
それは
死は終わりを告げることであり
医療者としての敗北を意味するから
でしょう。
ですから、死亡なんて口にできないのです。
こどもたちの
治療する勇気を削いではいけないと
思う気持ちもありました。
死=終わりと当時は考えたからです。
今は、死=終わりではなく、帰ると
言えると思います。
☆ 自身の経験をもとに、今感じていることをまとめた
拙著「どう生きてどう死ぬか 脳出血を経験した小児科医が観た生きる道」を
上梓させていただきました。
この本で記した僕の経験が、思いが
医師としてだけでなく、病いを経験したひとりの人間として
ひとりでも多くの方のお役に立てることを願うばかりです。
Amazonで購入できます。https://amzn.asia/d/3kIDJaR