天地有情

この言葉は
雲が低く垂れ込めた陰鬱な世界にいると
人の心まで暗くしてしまう。
逆に晴れわたった時には
人のこころは晴れ晴れとしたものになる。
世界と人間の心は繋がっているということを
示した言葉。

確かに
人のこころは自分の置かれた環境で
刻々と変化する。

同じ環境に置かれていても
人の気持ちは皆違う
そのちがいは
ひとりひとりの表情を見れば
その人の感情までも
手にとるように感じることができる。

喜びの時も、悲しみの時も
不安な時など
人々は様々な表情を見せてくれる。

病院には
色んな病気、不安を抱えた方が
訪れる。

例え高血圧という同じ病名がついていても
ひとりひとり表情は違うし
同じ病名でも
同じ病名であっても
訪れる度にちがう表情でこられる。

今日はどうしてそんな表情をされるのか?
といつも思って
患者さんを診察している。

病名で患者さんを観るのではなく
訪れた時の
患者さんの全てを診るのが
医者の役割である。

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