最近
便秘のための強烈な腹痛での受診が目立ちます。
浣腸を何度もしたり、便を掻き出したり
それでも、腹痛が改善しないため
小児外科の先生にお願いすることもあります。
便秘は日頃の生活と密接に関連しています。
便秘のことを、知っておくと防げるヒントがいっぱいです。
そこで、今日は便秘症について。
まず、便秘症とは
排便回数が少ないために、うんちが硬くなって
排便時に痛みや出血を伴って、排便困難が生じることです。
排便が3~5日間ごとであっても、排便時の苦痛がなければ、
便秘症とは言いません。
逆に
1日に何度も硬くてウサギの糞のような便が出るような時も
便秘症といいます。
便秘症は、毎日の生活の中に原因が潜んでいます。
そこで、便秘になる背景をお話しします。
①排便しない習慣
朝、ギリギリまで寝てて、うんちをする時間がなくて
登園・登校してしまう。
学校や幼稚園で、うんちをするのが恥ずかしくて、
うんちを我慢してしまう。
②便秘を生む食習慣
こどもが好む食べ物は、たんぱく質、脂肪分の多い、
カロリーが高くて便になりにくいお菓子や甘いものです。
これらの食べ物は、消化がよく、大部分が吸収されるので、
食物残渣が少なくなるので便の大腸内停滞時間が長くなり、
水分が吸収され、うんちがだんだん硬くなってしまいます。
③精神的因子
幼児期の排便時叱られたリ、強制的に長時間トイレに
座らされたり、排便時の恐怖があると我慢する習慣が
生まれてきます。
④悪循環
うんちがしたくなるのは、直腸に便が溜まってくると
うんちがしたくなります。
でも、直腸の粘膜は、柔らかくて伸びるので、直腸に
便が溜まると直腸の粘膜がたるんでしまい、便意を
感じにくくなってしまいます。
便意を感じないので、直腸にどんどんうんちがが溜まり、
うんちもどんどん硬くなってしまいます。
ですから、うんちをする時、痛みを伴うようになります。
そして、痛みのために、うんちをすることに対して恐怖を
かんじ、我慢します。
ますます、うんちが溜まり・・・どんどん悪循環が
生まれてしまいます。
ですから、
便秘にならないためには、直腸を空にする生活習慣が大事です。
①トイレに行きたくなったら、我慢しない
②ゆとりのあるリズムで生活し、ゆとりある時間にトイレに
座る。
早寝早起きして、朝食をゆっくり取りましょう。
朝食後しばらくすると、大腸の運動が1番活発になるので、
その時にトイレに行きましょう。
朝食後あわてて、出かけると、うんちがでませんよ。
③食事に注意しましょう。
野菜、海藻、果物、芋類、豆類などの食物繊維を
沢山とりましょう。
食物繊維を多くとると、便のかさが増えて、便意を
もよおしやすくなります。
逆にこども達の大好きな高タンパク質、高脂肪分の食事、
カロリーが高くて、便になりにくいお菓子や甘いものは、
お腹に長くたまりやすく、便秘の原因になりやすいので、
できるだけ控えましょう。
以上のことに気をつけても、改善しない時は
病院を受診しましょう。
病院で、浣腸やお薬で溜まったうんちを出したり、
うんちたまらないようにする治療が必要になります。
うんちが溜まればたまるほど、本人は苦しくなります。
うんちが出てないなぁと思ったら、
ほっとかないで
早めに対応してあげることが、便秘であわてないコツですね。