診療について
小児科
小児は単に成人を小さくしたものでないことはよく言われます。小児は発達、成長の途中であるために 一言小児と言っても、一つの症状を診ただけでも、年齢、発達状態、そして生活環境など、様々な状況を加味して判断しなければ、なりません。このことより、小児の診療や問題点を考えるに際しては小児の病態の特殊性をよく理解しておくことが必要です。
小児疾患の特徴の主なものをあげてみますと、
- 病状が急変しやすく、経過が早い。機能的に未熟であり、対応予備能力が少なく、成人に比べ重症となりやすい。
- 年少児の多くは、自身の症状について、直接、言葉で訴えられないことより診断が遅れてしまうことがある。
- 感染に対する抵抗力が弱く、多くの感染症に罹患しやすい。
- 軽微な症状が重症な疾患の初期症状であったり、非典型的な推移をきたすことがある。
- 新生児期、乳児期、学童期など、年齢により発症する疾患に特徴がある。
- 季節性や地域における感染症の流行がある。
- 同一の症状がみられてもそれを発現させる疾患は多様である。
- 核家族が多く、家人より適切なアドバイスを受けられないことや、断片的で不正確な知識により不安をつのらせるご両親が多い。
以上が小児疾患の大まかな特徴です。
お子さんの病気の第一発見者はお家の人です。病気を早く発見するために、お父さん、お母さんはお子さんからのわずかなサインも見逃さないように、よく観察する習慣をつけましょう。
内科
ずっと小児科医をしていると、こんな場面によく出くわします。
- いつも病院に来てるお母さんが、こども達と同じ症状なのに、病院に受診できなくて、こども達は元気になったのに最後はお母さんが寝込んでしまった。もっと早く病院にかかることができたら・・・・
- 家族全員同じ症状なのに、お父さん、お母さんは内科、こどもは小児科に別々にかかるので病院に行くと、みんな疲れてぐったり。一か所で終わればいいのに・・・・
- 仕事が忙しいお父さん、なかなか病院にかかる時間がない。いつも風邪症状があって、こども達に風邪をうつしてしまう。お父さんも薬を飲んだらいいのに・・・・
- お父さんはヘビースモーカー。こどもは喘息。煙草をやめてもらいたいけど・・・、いつも薬だけもらって、時々検査をうけるだけ。もっと、じっくり診てもらいたい。
などの声をきくことがあります。
医療分野もどんどん専門細分化がすすみ、また社会も専門家を求められていることも確かです。 そのために、上のようなことが起きていると思います。
そして、また小児科医をしていると、こども達が健康であるためには、お父さん、お母さんなど家族全員が健康でないと、こども達は元気に過ごせません。
また、検査中心の現代医学、ひとりひとりと向き合う医療が大切であると思います。
こどもひとりひとりと向き合い、こどもが幸せであるために、家族全員の健康を守りたい・・・と小児科専門医である利点をもって、内科診療をさせていただく決意をしました。
こどもを愛おしいという気持ちで、家族目線、患者さん目線、そして時にはこども目線で診療をします
アレルギー科
最近アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、じんましん、食物アレルギー、薬アレルギー、・・・・アレルギーでお悩みの方が増えています。ある意味現代病とも言えそうなアレルギーの病気、そして誰でもご存知のアレルギー。でもとても奥の深いアレルギー。そんなアレルギーの疾患にずっと興味を持って、勉強をしてきました。
ところで、アレルギーってなんでしょう。アレルギーとは一言で言えば“免疫反応”です。自分の体に入ってくる異物を排除しようとする身体の基本的な防衛システム(生体防衛)なのです。でも、身体を守るはずの防衛システムはいつも体に有利に働くとは限りません。時には不利に働きます。それがアレルギーなのです。体に困った反応だから治さないといけないのです。アレルギーは遺伝の要因もありますが、どんな食べ物でも、ダニ、ホコリ、チリなどの住まいの環境の中でも、花粉や動物、そしてストレスでも・・・どんな原因でも起こります。
正しい知識を持って診断をして、そして治療を行わないと先が見えず泥沼化してしまい、返って患者さんを苦しめてしまう結果になってしまいます。そしてただ検査をして、抗アレルギー薬を飲むだけの治療では、決してよくなりません。ひとりひとりと向き合わないと、よくはなりません。
ひとりひとりの患者さんと向き合い、アレルギーを治すよう、患者さんと一緒に一歩、一歩歩んで行くアレルギー科医であろうと思っています。
漢方内科
歴史
2000年以上前に中国で始まった医学。7世紀に遣唐使によって日本に伝えられました。独自に発展。
江戸時代から西洋医学が伝来して徐々に衰退してきたが、最近また見直されている医学です。
西洋薬との違い
西洋医学では人間を病気にする原因として、人体のどこかの部分の異常を考えます。人体を精密な部品の集合体と考え病気とは、いずれかの部品の異常が原因であると考えます。したがって、その原因をつきとめ、それを取り除けば病気は治療できる、という考えです。 一方、漢方では病気の元を一つの原因とはとらえず、身体が持っているバランスが崩れたことに原因があると考えます。
西洋薬では病名を重視し治療、漢方では体質、病態を重視して治療します。
病気のことを細かくみるのが西洋医学。
人の体のブレを見るのが漢方医学。
山の木が枯れたら、枯れた木を集中してみるのが西洋医学。
山の木が枯れたら、雲や土や水に目を向けるのが漢方医学。
病気を悪者と考えるのが西洋医学。
病気を体のブレのサインを見るのが漢方医学。
漢方医学や東洋医学のよさは、おとなも子供も男も女もありません。そしてもちろん内科も小児科も産婦人科の区別もありません。まず診ること、聞くこと、触ること言った医療の原点でもある診療でその人のブレを診察します。現代医学でもその人のブレを計る検査機械はありません。
自分の診察は脈を診たり、お腹を触ったり、舌をみて、人のブレ、人の状態を見ることを大切に診療しています。またこのスタイルは大変新鮮に見られています。こどもから大人まで、病気があってもなくても、東洋医学の目線で診療を行い、ひとりひとりにあった幅広い診療を行ってます。